セイバーインタラクティブが語った『Halo: Combat Evolved Anniversary』の契約獲得秘話、その驚くべきアプローチとは?
2025/02/19

セイバーインタラクティブが語った『Halo: Combat Evolved Anniversary』の契約獲得秘話、その驚くべきアプローチとは?としていて、どのような手段を取って権利を勝ち得て、更にその話の続きがあるみたいですね。
セイバーインタラクティブが、史上最大のシューティングゲームのリマスター版を担当することになった経緯について疑問に思ったことがあるなら、セイバーのCEOであるMatthew Karch氏が最近、ジャーナリストのStephen Totilo氏に語った『Halo: Combat Evolved Anniversary』の契約獲得秘話は、私が長い間読んできたビジネス記事の中でも最も不可解なもののひとつです。
ゲームファイルニュースレターでTotilo氏に語ったところによると、Karch氏は、Halo以前は、SaberはWill RockやTimeshiftといったゲームで細々と生計を立てていたと説明しました。その後、幸運にもSaberはHaloのリマスター版の企画を提案する機会を得ました。Karch氏は、まったく常軌を逸した奇策を選び、実質的にはSaberが無料でリマスター版を制作するとマイクロソフトに伝えたのです。
『私は『無料でもやります』と言いました。なぜなら、それは『Halo』だからです』と、Karch氏はTotilo氏に語りました。『当時、世界最大のフランチャイズでした。私は言いました。『ハーバード大学の学位を壁に飾るようなものです。私がこの『Halo』の最新ゲームを手がけたと知れば、世界中の誰もが私と一緒に仕事をしたがるでしょう。そして、それは新たな可能性を開くでしょう。だから、私はそれを甘んじて受け入れ、赤字覚悟でやります』』
これに対してマイクロソフトは基本的に『ノーだ。金額を提示しなければならない』と答えました。なぜなら、Karch氏の申し出は魅力的すぎるように聞こえるかもしれませんが、無報酬のスタジオに当時最も熱望されていたリマスター版の1つを扱ってほしいとは思わないからです。そこでKarch氏は、数字を400万ドルに引き上げた新たな見積もりを送りました。私は数学の天才ではありませんが、ゼロよりはかなり多いように思えます。しかし、Karch氏は、当時Saberはサンクトペテルブルクに拠点を置いていたため、これより安くできる会社はないだろうと考えました。
いずれにしても、彼の言うとおり、Saberは仕事を請け負い、2011年にXbox 360向けに『Halo: Combat Evolved Anniversary』をリリースしました。 しかし、Karch氏は初期作業を無償で喜んで引き受けたものの、Saberは『Halo Anniversary』の発売後にロイヤリティを受け取ることになっていたようです。 Karch氏によると、マイクロソフトは彼の契約に『特定の条項』を追加し、それによって『ロイヤリティはゼロになった』とのことです。にもかかわらず、Saberは(はるかに優れた)『Halo 2』のリマスター版を引き受け、最終的には『Halo: Combat Evolved Anniversary』を『Master Chief Collection』の一部としてXbox Oneに移植するよう依頼されました。
ここからすべてが『Mad Men』のようになります。どうやら、マイクロソフトは『Master Chief Collection』のリリース直前まで、移植作業に関する契約書の送付を怠っていたようです。好機と見たKarch氏は契約書への署名を拒否し、マイクロソフトに対して『Halo: Anniversary』のロイヤリティに関する方針の撤回を要求しました。マイクロソフトはこれに同意し、Saberは過去の作品に対するロイヤリティを受け取るようになりました。Karch氏によると、その額は数千万ドルに上るということです。『我々の作品で利益を得ている人々を目の当たりにしてきた。今こそ我々自身が利益を得る時だ』と、Karch氏はパートナーのAndrey Iones氏に語ったとされています。
つまり、Karch氏は『Halo: Anniversary』に対して法外な安値を提示し、マイクロソフトからロイヤリティをだまし取られ、そして、望むものを手に入れるまでマイクロソフトを妨害できる立場に偶然にも身を置くことになったのです。以上で、今日のビジネス・マスタークラスの講義を終わります。
しかし、Saberがこの古い金融ジェットコースターに乗るのは、これが初めてではありません。同社は2020年にエンブレイサー・グループに買収されましたが、エンブレイサーが取引をねつ造し、大量解雇と多数のゲームキャンセルにつながった後、2024年に売却されました。しかし、Saberはエンブレイサーの傘下から離れても成長を続け、最近発売した『Warhammer 40,000: Space Marine 2』は大きな成功を収めています。
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格安で仕事を請け負い、大ヒットをして、ロイヤリティで莫大な利益を得たというストーリーになっており、それもたまたまその権利を失いかけていた中での出来事だったとして、こうした話もあるんですね。